子供の近視
子供の近視が増えてきています。近視は、都市型の近代国家に多いのが特徴で、毎日の生活が近くを見る作業中心となっているために、近視が増えると言われています。最近の調査では、小学生の約1割が近視で、中学生になるとさらに増え、2~3割の生徒に近視がみられます。また、高校生では過半数が近視といわれています。原因はまだよく解明されていませんが、先天的な素質と後天的な環境因子が結びあって起こると考えられます。すなわち、親や兄弟に近視があればなりやすく、また、日本人は近視になりやすいという、人種的な要素もあるといわれています。
近視の種類
- 屈折性近視
角膜および水晶体の曲率が強くて焦点が短過ぎ、網膜より前方に焦点を結んでしまうもの。 - 軸性近視
眼球が通常より前後に長いため、水晶体と網膜との距離が長過ぎ、網膜よりも前方に像を結んでしまうもの。 遺伝性の近視は大半が軸性に分類され、矯正を必要とする。 眼球が通常より引き伸ばされているため、網膜が薄くなっており、網膜剥離を起こしやすい。 - 偽近視
※下部に詳細を記載。 - 核性近視
老人性白内障に伴い、近視化することがある。 核性白内障が起きた際、起きる。 その際には不同視を引き起こすことも多い。
偽近視
眼の疲労により一時的に近視のような状態になることで、仮性近視、調節緊張性近視とも呼ばれます。近視に含めない考えで単に調節緊張と呼ぶ人もいます。
テレビやパソコン等で目を酷使した後は強くなり、目を休めたり遠くを見ると弱くなります。点眼薬を使って調節を麻痺させないかぎり完全に無くなることはありません。視力に問題が無い者を含めて万人が持っているものです。
一見妙な話ですが、遠視の人は近視の人より強い偽近視を持っていることが多いです。つまり、その時々による遠視度数の変化が近視の者の近視度数の変化より大きい場合が多いのです。遠視の人は遠くを見るのにも調節力を働かせねばならず、正視や近視の者より眼に対する負担が大きいためと思われます。
名前の通り「偽」の近視であり、上記の本物の近視とは別物です。偽近視を放置したからといって本物の近視に移行することはありませんし、逆に目を休ませても治るのは偽近視だけであり本物の近視が治ることはありません。 偽近視と本物の近視を併発している場合は、目を休ませることによって偽近視の分だけが回復します。
偽近視の現れ方は人によって違います。
1.遠視の場合は遠視が弱まる形で現れる
2.正視および極軽い遠視の場合は近視になる形で現れる
3.近視の場合は近視が強まる形で現れる
偽近視として通常問題にされるのは2の場合であり、1の場合は自覚症状がなく、3の場合は偽近視が治っても眼鏡等が必要なことに変わりがないのであまり問題にされません。2の場合は偽近視を治すことで眼鏡等が不要になるので治療が試みられることがありますが、偽近視が治ったかどうかに関係なくしばらく経つと本物の近視になってしまうことが多いです。
なぜ偽近視を治療しても近視になってしまうか、といいますと、そもそも偽近視が自覚されるようになったのは上記1の状態から2の状態になったからです。つまり幼少時の遠視の状態から正視かそれに近い状態まで近視化しています。自覚の無いまま近視化の過程の大半がすでに終わってしまっていると言ってもいいです。一方、偽近視を治療しても本物の近視の進行には何の影響もありません。幼少期の遠視がほとんど無くなるまで順調に進んでいた近視が偽近視を治療した途端に進まなくなるには偶然に頼る他ありませんが、そのような偶然の起こる可能性は低いです。よって偽近視を治療しても近視になってしまうことが多いのです。
偽近視については様々な考え方があります
●偽近視は存在し、治療すべきである。
●偽近視は存在するが、治療可能なものは稀である。
●偽近視を治療しても治療を中止すれば元に戻ってしまう。一時的に治すだけのために時間・手間・費用を掛けるのは無駄である。
●偽近視が自覚されるほど遠視が弱まっていればいずれ本物の近視になるのは避けられないので、偽近視を治療しても意味がない。
●「治療可能な偽近視という近視がある」ということを殊更に強調すると近視全般が治療可能であるかのような誤解を招き、効果不明の民間療法を利することになるので良くない。
●偽近視はあるのが当然であり、「治療」するようなものではない。
●偽近視は存在しない。
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